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成年後見の概要 法定後見 任意後見 事務委任 後見と費用負担 契約書例

成年後見の概要

加齢によって心もまた衰える
人は皆、年とともに体が衰えてきます。それは、程度の差はあれど誰の目にもわかる形で起こります。
同時に、年齢は心も衰えさせます。心、精神の衰えは判断力の低下や人格の変化として表れてきますが、余程衰えるかいつもそばで見てくれる人がいないと外からはわかりません。ご本人が自覚できる可能性もほとんど期待できません。
人間が財産に関して完全に正確な判断を下せるのは60歳くらいまでと言う研究結果もあるそうです。
心の老いも体の老いと同様、やがて誰にでも訪れるものです。
心の衰えは人生のリスク
心が衰え、判断力や思考力が低下してくると、日常生活の中で人に意思を伝えることが難しくなります。判断の間違いに気付きにくくもなります。
周りの人は、本当にそうしたくて言っているのか、考えるのが面倒だから適当に言っているのかを見極められなくなってしまい、うかつに言われたことを信用できなくなってしまいます。逆に悪徳業者や詐欺師は、本人にその気が無いとわかりきっていることでもほいほいとやらせてしまうでしょう。現に、心の衰えが原因で財産をすべて失い、多額の借金を背負っているお年寄りがたくさんいます。
心の衰えは誰もが抱える人生最大のリスクの1つです。
心の介護を受けるという考え
体が衰えて日常的な手助けが必要になったときは介護サービスを受けることができます。では、心が衰えて日常的な手助けが必要になったときに、心の働きをサポートし、財産管理を手助けしてくれたり、数々の犯罪行為から身を守ってくれる、心を介護してくれるような制度はないのでしょうか?
実は、そういう制度が存在しています。それが、ここでご紹介する成年後見制度です。

成年後見制度とは?

成年後見制度は、認知症や精神障害などで判断力が衰えた人のサポートをする制度です。
正常な判断力が失われている場合、詐欺や悪徳商法に騙されたり、逆に老人ホームへの入所契約などの本来しなければならない契約を締結することができなかったり、日常生活において問題になることが次々と発生してきます。
成年後見制度は、後見を受ける人に代わって後見人が必要な判断をしあるいは契約を締結して本人の生活を守る、いわば心の介護サービスを受けるための制度です。
こんなときには絶対必要
成年後見制度を受けるか受けないかはある意味関係者の自由ですが、絶対に成年後見が必要な場合もあります。
次のような場合は急いで成年後見制度を利用しましょう。また、これらのことは誰にでも起こりうることですから、心の衰えに対しては早目に成年後見制度を利用するほうがいいのは言うまでもありません。
相続人になったとき
父母が長命であったり、兄弟間の相続が発生したりして、判断能力が低下した高齢の方が相続人になることも珍しくありません。
判断能力が低下した方の意思表示は無効になる恐れがありますし、他の相続人の恣意によって不利益な遺産分割をされてしまうことがあります。
成年後見制度を利用して後見人に遺産分割協議をしてもらう必要があります。
重大な財産行為が必要なとき
事情により、判断力の衰えた人の重大な財産を処分しなければならないようなとき、たとえば居住している家を売って老人ホームに入所したいような場合、本人は手続きできませんし、代理で誰かがするにしても、本人が代理として任せることができる状態にあったか、本当に任されたどうかが問題になります。
本人の利益のためにも、代理する人の危険回避のためにも、成年後見制度を利用する必要があります。
成年後見制度の種類
成年後見制度には法定後見と任意後見の2種類があります。どちらも心の衰えをサポートし、手助けしてもらえる制度ですが、その利用方法や性質から法定後見は事後的な制度、任意後見は予防的な制度であると言われています。それぞれの制度の主な特徴は次の通りです。
適切な制度を利用することが成年後見制度活用の第一歩です。
法定後見
心が衰えていて初めて利用できる
すでに心が衰え、判断能力が失われている人が利用できる制度です。
将来に備えてあらかじめ利用を開始することはできません。
家庭裁判所にすべて決めてもらう
法定後見は家庭裁判所の審判によって開始されます。
後見を開始すべきかどうか、誰を後見人にするか、すべて最終決定権は家庭裁判所にあります。また、後見人の監督も原則として家庭裁判所が行います。
状況によって使える制度が変わる
法定後見には後見、保佐、補助の3つがあり、心の衰えがどれほどかによってどの制度を利用できるかが違います。たとえば後見相当の人の保佐の審判を申し立てると、申し立てのやり直しになります。
後見人の権限が決まっている
法定後見の後見人は、その権限が最初から法律で決められています。後見人の権限の範囲は非常に広範にわたり、後見を受ける人の生活全般をほぼ完全に取り仕切る権限があります。
保佐人や補助人の権限は後見人に比べるとはるかに限定されますが、その範囲は法定されています。
任意後見
元気なうちから利用できる
元気なうちから、将来判断能力が低下してしまったときに備えて利用を開始することができます。
逆に、心が衰えてしまってからでは利用できなくなります。
契約によって成立する
任意後見は契約を締結し、家庭裁判所の審判を受けることで開始されます。
ただ法定後見と違い、家庭裁判所の審判は後見を利用できるかどうかの判断と後見を誰に監督させるかの判断です。
誰が後見人になるか、後見人がどのような権限を持ち、どのような仕事をしなければいけないのかはすべて契約に従います。
契約の内容では不十分になった場合は、後見人がより広範な権限を持つ法定後見に移行することも可能です。
制度の利用方法を選べる
任意後見制度の利用方法には将来型、移行型、即効型の3つがあります。どの方法を利用するかは当事者の自由です。
移行型は法定後見の欠点を補う利用方法として注目を浴びています。
後見人の権限を決められる
任意後見は契約によって利用する制度ですから、後見人の権限も契約で自由に決められます。
複数の人と後見契約を結んで仕事を分担してもらうこともできます。
どのような形で後見してもらうかは当事者の自由です。
後見登記制度
成年後見制度を利用すると、成年後見を利用していることが登記されます。
この登記の登記事項証明書は成年後見に関する証明書になりますが、一定の権限がある人の請求によってしか発行されませんので成年後見に関するプライバシーは守られます。
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